カンゾウタケ

カンゾウタケとは?

ハラタケ目カンゾウタケ科カンゾウタケ属に属する一属一科一種のキノコ。全世界に広く分布し、欧米では広く食用にされている。アメリカなどでは”Beefsteak Fungus”・「貧者のビーフステーキ」、フランスでは「牛の舌」(Langue de boeuf)と呼ばれています。
梅雨期と秋に、スダジイ、マテバシイなど(欧米ではオークや栗の木、オーストラリアではユーカリ)の根元に生え、褐色腐朽を引き起こす。傘は舌状から扇型で、表面は微細な粒状で色は赤く、肝臓のように見える。裏はスポンジ状の管孔が密生し、この内面に胞子を形成する。他のヒダナシタケ類と異なり、この管孔はチューブ状に一本ずつ分離しています。
肉は、霜降り肉のような独特の色合いを呈しているうえ赤い液汁を含み、英名のBeefsteak Fungusの名の通りであり、生ではわずかに酸味がありますが、管孔を取った上で、生のまま、またはゆでて刺身や味噌汁にしたり、炒めて食べたりします。
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「カンゾウタケ」の特徴

カンゾウタケはカサの直径が5~30cmほどの大きさで形はヘラ型~扇形です。成熟するとフチが波うったような形状に変化し、やや反り返ります。表面は細かい粒状になっている事からザラザラとしていて、色は幼い時は赤紅色、成長するとまるで肝臓のような鮮やかな赤または赤褐色になります。

カンゾウタケのカサの裏にある管孔は細い管を集めたような形で、その一本一本がキチンと形を成しており、蜂の巣状のものとは構造が異なっています。管孔の色は黄白色~淡い紅色です。
ツカにあたる部分が形成されている事もありますが、多くの場合、木に直接、側生してるようです。
肉は表面と同じような赤褐色で、白っぽい筋が全体に見られる事から、その見た目は高級な霜降り牛肉のようだと形容されます。また、幼い時のカンゾウタケは肉がやわらかいものが多いようです。

カンゾウタケは切断すると切り口から、やや酸味が感じられる赤色の液体が染み出してくる事も特徴のひとつで、ヨーロッパの国々などでは、カンゾウタケの形状から「牛の舌」とも呼ばれています。

日本応用キノコ学会誌